各相続人の相続分割合(法定相続分)について教えてください/配偶者、直系尊属、兄弟姉妹、養子、婚外子、全血・半血
各相続分の相続分割合の確定は、遺産分割協議の前提となりますし、遺留分の算定にも影響しますので、正確に理解する必要があります。
遺言によって相続分が割合的に指定されている場合には、その指定が優先しますので、以下では、遺言がない場合を想定し、法定相続分についてご説明します。
なお、そもそも誰が相続人になるかについては、こちらの記事をご参照ください。
1 基本的な法定相続分(民法900条各号)
(1)相続人が一人の場合は、その人が全ての遺産を相続します。
(2)相続人のグループが複数の場合は、次の組み合わせになります。
- 配偶者と子グループの場合 配偶者2分の1、子グループ2分の1
- 配偶者と直系尊属グループの場合 配偶者3分の2、直系尊属グループ3分の1
- 配偶者と兄弟姉妹グループの場合 配偶者4分の3、兄弟姉妹グループ4分の1
- ※グループ内の相続分割合は、後述の半血兄弟姉妹を除き、均等です。
2 例外的なケース
上記1が基本的なケースですが、比較的少ないケースとして、(1)養子、(2)婚外子、(3)全血・半血兄弟姉妹が存在するケースがございます。
(1)養子
養子については、普通養子縁組か特別養子縁組かを問わず、子グループに入り、実子と同じ相続分割合です(民法809条)。
したがって、相続人が、①配偶者、②実子、③養子の3名であった場合の相続分割合は、次の通りとなります。
- 配偶者 2分の1
- 実子 4分の1
- 養子 4分の1
(2)婚外子
「婚外子」とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことをいいます。「非嫡出子」とも呼びます。
婚姻関係にある男女の間に生まれた子のことは「嫡出子」と呼びます。
婚外子は、母親との関係では、出生の事実(出生届)から子であることが明らかとなり、父親との関係では、父親が認知することで、法律上、子となります。
したがって、婚外子にとって、父親の相続の場面では認知されているか否かは重要となります。父親からすれば、隠し子の場合には認知してあげたい気持ちもありつつ、認知すると戸籍に記載されてしまうことから、生前は認知せず、遺言によって認知する方もおられます。
婚外子の相続分割合は、以前は、嫡出子に比べ2分の1でしたが、最高裁平成25年9月4日の違憲判決を受け、嫡出子と等しい相続分割合が認められることとなりました。
したがって、相続人が、①配偶者、②嫡出子、③婚外子(非嫡出子)の3名であった場合の相続分割合は、次の通りとなります。
- 配偶者 2分の1
- 嫡出子 4分の1
- 婚外子 4分の1
(3)全血・半血兄弟姉妹
全血兄弟姉妹と半血兄弟姉妹は、相続分割合が異なります。半血兄弟姉妹は、半血兄弟姉妹の2分の1です(民法900条4号但書)
なお、全血兄弟姉妹・半血兄弟姉妹という概念は、あくまでも兄弟姉妹グループとして相続人になる場合のみに問題になります。子グループとして相続人になる場合には、問題になりません。
全血兄弟姉妹とは、兄弟姉妹グループが相続人になる場合に、被相続人と両親を同一にする兄弟姉妹をいいます。
半血兄弟姉妹とは、兄弟姉妹グループが相続人になる場合に、被相続人と親の一方だけを共通にする兄弟姉妹をいいます。
(事例)
父母(Fさん、M1さん)を同じくする2人兄弟のAさん・Bさんがいたとします。
同時に、父(Fさん)は同じですが、母が違う兄弟のCさんがいたとします。
Cさんの母は「M2さん」とします。
FさんとM2さんは既に離婚しており、FさんはM1さんと再婚していたとします。
このとき、Aさんに子がおらず、FさんとM1さんも既に亡くなった後に、Aさんが亡くなったとすると、Aさんの相続人は、兄弟姉妹であるBさんとCさんになります。なお、Aさんに配偶者がいればその配偶者も相続人になりますが、今回はいないものとします。
このときのBさんは、被相続人のAさんと両親を同じくしますので「全血兄弟姉妹」にあたり、Cさんは被相続人のAさんと父のみを同じくしますので、「半血兄弟姉妹」にあたります。
半血兄弟姉妹は、全血兄弟姉妹の相続分の2分の1ですので、相続分割合は、次の通りとなります。
- Bさん(全血兄弟姉妹) 3分の2
- Cさん(半血兄弟姉妹) 3分の1
※ 同じ事例で、父(Fさん)だけが死亡したときは、Aさん、Bさん、Cさんは子グループとして相続人となるため、全血・半血兄弟姉妹の問題にはならず、相続分は次の通りとなり、Cさんは、AさんBさんと平等となることに、注意が必要です。
- M1さん(配偶者) 2分の1
- Aさん(子) 6分の1
- Bさん(子) 6分の1
- Cさん(子) 6分の1
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